バリスタエッセイ「ナカノ永久機関」
焼きいも
2018年2月16日(金)
焼きいもは好きですか?僕は妻の影響で最近好きになりました。
子どものころは、さつまいものもそもそとした食感というか、その繊維質がどうも馴染めなくて、同じいもなら圧倒的にじゃがいものほうが好きだった。
でも、妻がさつまいもをこよなく愛する人で、毎年冬になると「焼きいもが食べたい」とせがまれ続けた結果、自分でもよくわからないうちに好きになったというわけだ。好きになったというよりかは慣れたというべきなのかもしれないけれど。
近ごろお気に入りのさつまいもの品種はベニハルカ(紅はるか)というものだ。すごく甘くて、しかもしっとり感とホクホク感を両立している。まだ新しい品種ということだけど、子どもころにあればさつまいも好きになったのかもしれない。
さて、昔は冬になると空き地や庭先で落ち葉を集めて焚き火をする、いわゆる落ち葉焚きをよく見かけた。焚き火を見ると、きっと中には濡らした新聞紙に包まれたさつまいもが入っているんだろうなとうらやましく思ったものだ(焼きいも自体が好きかどうかはべつにして)。
だけど法律が改正されてゴミの野焼きが禁止になったことで、近ごろはそんな光景もめっきり見なくなってしまった。現代の子どもたちにとっては落ち葉焚きなんて童謡の中だけのものなのかもしれない。彼らにとって冬の風物詩はなにになるのだろう。
そう思うと少しさびしい気もするんだけど、そうは思いませんか?

中野隆靖 Takayasu NAKANO
1972(昭和47)年、静岡県生れ。武蔵工業大学工学部卒業。2011年、カフェナカノ開業。オーナーバリスタ、ラテアーティストとして活躍中。

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