バリスタエッセイ「ナカノ永久機関」
スパゲッティ・ミートソース
2017年11月10日(金)
僕の好物はスパゲッティ・ミートソースだ。どれくらい好きかというと、それはもう熱狂的といっていいぐらいで、最後の晩餐がミートソースなら思い残すことは何もない。たぶん。
でも、これが他の人にはなかなか伝わらない。べつに伝える必要もないんだけど、その思い入れを書いておこう。
浜松の街中(まちなか)にマビーセブンという有名な飲食ビルがある。僕が子どものころ(八十年代前半)、その二階にスパゲッティ屋さんがあった。一階は確かケンタッキー・フライドチキンだったはずだ。店の名前も忘れてしまったけれど、母親にそこによく連れて行ってもらった。
今でこそ小洒落たスパゲッティ屋さんなんて珍しくもなんともない。でも、当時の浜松ではまだ珍しかったんだと思う。テーブルの上にグリッシーニなんかが置いてあったりしてね。
そこで食べたスパゲッティ・ミートソースが本当においしくて、子どもながらに「これは本物に違いない!」と感じたのだ。
具体的に何が違うかというと、ソースがちょっとドライで、いわゆるボローニャ風のラグーということになる。
妻と結婚して、初めてミートソースを作ってもらったときに、それとすごく似ていて衝撃を受けた。
この人と結婚して良かった!
それはさすがに言い過ぎだけれど、それくらいスパゲッティ・ミートソースに思い入れがあるわけです。どうですか?皆も食べたくなってきたでしょ?

中野隆靖 Takayasu NAKANO
1972(昭和47)年、静岡県生れ。武蔵工業大学工学部卒業。2011年、カフェナカノ開業。オーナーバリスタ、ラテアーティストとして活躍中。

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