バリスタエッセイ「ナカノ永久機関」
エアープランツ(1)
2017年9月29日(金)
今年に入ってからエアープランツにはまった。
エアープランツとは、空気中の水分を吸収して育つので土がいらないという人気の観葉植物だ。
子どものころにも何度か買ってもらった記憶はあるんだけど、なんだかよくわからないうちに枯れてしまった、そんな思い出しかない。
それから何十年か経って、ふと店のインテリアにいいんじゃないかと思い立ち、再び育ててみようと思ったわけだ。
最近では花屋や洒落た雑貨店だけでなく、百円ショップにもエアープランツが並んでいる。この事実はちょっとしたカルチャーショックだ。だってそれはもう珍しくもなんともないということだもの。でもまあ枯らしてしまう失敗を考えると、百円で手に入るのはありがたいことではある。だから、手始めに百円ショップでエアープランツをいくつか見繕って買ってきたのだ。
今はインターネットでなんでも調べられるから、エアープランツのことを調べてみた。するとまずエアープランツという名前は通称で、正式にはパイナップル科チランジア属の植物だということがわかった。そして、種としては七百以上もあるらしい。
この時点ですでにしびれた。小学生のころに虫を取ってきては夢中になって昆虫図鑑で調べた、あの興奮を思い出したのだ。
こうなるともう居ても立っても居られない。エアープランツが恋しくて仕方がないのだ。
そんなふうに僕とエアープランツの付き合いが始まった。

中野隆靖 Takayasu NAKANO
1972(昭和47)年、静岡県生れ。武蔵工業大学工学部卒業。2011年、カフェナカノ開業。オーナーバリスタ、ラテアーティストとして活躍中。

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